緩和医療の課題とギャップ

1分1秒でも長く生かす事だけが、医療の目的ではなくなってきた 今日。それはがん治療の現場においても見る事が出来ます。がんは日本人の死亡原因のトップでもあり続けていますが、その治療現場では緩和ケアの大切さが改めて注目されています。痛みを摂る為のケアを緩和ケアと呼びますが、がんの痛み、抗がん剤の副作用の辛さについてはしばしば耳にされるのではないでしょうか。日本では緩和ケアが遅れていると度々指摘されてきたのです。2003年のデータで、医療者に対して「どのくらい患者の痛みをとる事が出来たか」という問に対しての答えが参考になりそうです。データの結果からは、除痛率はがんセンターでも64.3%、大学病院クラスでも40%に満たないという結果でした。また、2016年に実施されたがん遺族200人に対して緩和ケア利用率や除痛率などを調査したデータもあります。この調査によると、緩和ケア外来の利用率は16%、緩和ケア病床利用率は12%、除痛率は3割といずれの数値をみても低いと言えます。また、緩和ケアが十分ではなかったと回答する率も30%でした。医療者の立場、そして患者・患者家族の立場での差がいまだ際立ってしまっているのです。この点が緩和ケアにおける大きな課題でしょう。